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中つ国の山と谷で、「山岳展望写真の秘密兵器?それとも頭痛の種?」と題して、パノラマ合成ソフトHuginについて説明したが、ここではHuginを使い始めた経緯、それ以前はパノラマはどうしていたのか述べる。 フィルムカメラを使っていた頃は、横方向への連続写真を撮り、現像・印画したあとで、並べてテープで貼り付けたりしたものだ。「パノラマ・カメラ」と称するもののあったが、結局、超広角画像の上下を切り取ったもので、画質はあまりよくなかった。 デジタルカメラを使うようになってから、連続写真をデジタル合成することができるようになった。私のカメラは、五年物のキャノンIXYで、買った時についてきた画像管理ソフト(ZoomBrowser)に、基本的なパノラマ合成機能もついていた。 しばらくはそれで満足していたのだが、パノラマ合成以外の機能なら、無料で、メモリー使用量がずっと小さく使いやすい画像管理ソフトや、多数の処理機能がある画像処理ソフトがたくさんあるので、メモリー要求が大きく、遅くて使いづらい ZoomBrowser は、ほとんど使わなくなっていた。それでも、パノラマ合成機能だけは必要だったので、そのときだけはこれを使っていたのだが、昨年の終わりごろ、PCの大掃除をかねて、使わないソフトを取り除いたときに、思い切って、ZoomBrowser も取り払ってしまった。 その後、究極の画像処理ソフト、The GIMP を使って、パノラマ合成を試みた時期があった。ただつき合せるだけでなく、個々の画像の露出、色バランス、微妙な傾きを、一つ一つて処理して言ったので、大変手間がかかった。それなりの出来にはなったが、繋ぎ目の処理がうまく行かず、、レンズの歪みからの画像辺部の歪み修正は全く不可能だった。そんなときの神頼み、ならぬGoogle頼みで、見つけ出したのが、オープン・ソースのパノラマ合成処理機能利用ソフト、Huginだった。 合成パノラマ画像作成のためには、視点・角度の設定・調節、レンズ歪みの処理、合成対照点の設置と微調整、露出・色バランスの調整、実際の画像のつなぎ合わせ、繋ぎ目のぼかし処理、など多種多様な機能を果たすプログラムが多数必要だ。幸いにも、これらのプログラムは有志によってすでに開発され、PanoToolsとしてオープン・ソースで公表されている。Huginというのは、これら、複数の処理機能プラグラムをコンポーネントとしてまとめ、パノラマ合成処理ソフトとして使えるようにしたものだ。 「山岳展望写真の秘密兵器?それとも頭痛の種?」でも書いたが、使い方に慣れるのにかなりかかるし、準備作業にも手間ひまがかかり、出来上がりを確かめずに終了してしまうと、また全部やり直し、となるのは必至なので、安易にはお勧めできないことは確かだ。"Not for the faint hearted" という表現がぴったりのソフトだと言える。
by mimisgran
| 2006-06-16 14:04
| 道具立て
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